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犯罪被害者等基本計画

平成17年12月27日の閣議で、犯罪被害者等基本法に基づく、政府が総合的かつ長期的に講ずべき犯罪被害者等のための施策の大綱などを定めた「犯罪被害者等基本計画」が決定された。
この基本計画は、犯罪被害者等の権利利益の保護が図られる社会を実現させるため、4つの基本方針、5つの重点課題の下、258の具体的施策を盛り込んでおり、国の行政機関を始めとした関係諸機関が連携・協力し、それぞれの施策について犯罪被害者等の方々の視点に立って取り組んでいくための体制などを規定している。
今後、政府は、一定の期間内に構築すべき施策体系の具体的設計図と工程を示す基本計画に基づいて、犯罪被害者等のための施策を総合的かつ計画的に推進していくこととなる。
(以上、内閣府ウェブページより)

基本計画の詳細な内容は、こちら

4つの基本方針は、政府が出す文書とは思えない練り込まれたものとなっている。
①尊厳にふさわしい処遇を権利として保障すること
②個々の事情に応じて適切に行われること
③途切れることなく行われること
④国民の総意を形成しながら展開されること

宮崎勤被告(正確には、被告人宮崎勤)の最高裁での判決が、来年1月17日に決まったとのニュースがあった。
初公判から実に17年である。
加害者には、これだけの時間と税金をかけて手厚い「サービス」がなされるのに、彼に殺された多くの被害者・遺族には、ほとんどといっていいほど、国からの援助はなされてこなかっただろう。
あげくに、彼への判決が確定するまで17年である。あまりに長すぎる。
今後、基本計画にしたがって、具体的な施策が実施されていけば、こうした不合理は少しでも克服されていくと思う。

この基本計画をざっと読んでいて、空恐ろしい調査結果があった。
Ⅴの第5(国民の理解の増進と配慮・協力の確保への取組)のところであるが、中村博志日本女子大学教授らによる調査によれば、小・中・高校生の5人に1人が「人は生き返る」と回答している、というのである。
本当か?と思ったが、政府の基本計画にあるくらいだから本当なのだろう。
「命の大切さを教える必要がある」、「ゲームのバーチャル感が子どもたちをおかしくしている」等という、ちょっと安っぽいと思われた台詞が、妙にリアル感を持ってくる。
学校で、何か動物でも死なせて、絶対に生き返らない、ということを身をもって体験させないといけないのかもしれません。
by black_penguin | 2005-12-27 23:29 | 業務関連

弁護士のちょっとブラックな業務外日誌


by black_penguin