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殺意

以下、asahi.comより引用

「千葉地裁で開かれている無職市橋達也被告(32)の裁判員裁判は、7日の第3回公判で被告人質問が初めて行われた。被告は、リンゼイ・アン・ホーカーさん(当時22)が死に至った経緯について「逃げないよう押さえこんだら、動かなくなった。死ぬとは思わなかった」などと説明した。

 市橋被告は「殺意を持って強く首を圧迫した」として殺人や強姦(ごうかん)致死などの罪で起訴されたが、被告・弁護側は「殺意はなかった」と主張している。

 この日は弁護側が犯行当日の状況について質問。市橋被告は「すみません」と繰り返しながら、「強姦後、リンゼイさんがはって逃げようとしたため、背中に覆いかぶさり、左腕を顔に巻きつけて体重をかけた」「首を圧迫していたとはわからなかった」などと話した。 」

証拠関係をみている訳ではないので、あくまで印象というか感想。
なぜ、「逃げないよう押さえこんだら、動かなくなった。死ぬとは思わなかった」というような、どうも嘘っぽい主張をするのか。
殺意を否認しておいて、それが認定された場合の、情状面等に関するリスク(被告人にとって)を十分に理解させた上でしているのかとか思ってしまいます。
裁判員裁判において、他に、被告人の利益になる手段(主張)はないのか。

本件の場合、いきなり土下座をするような被告人の属性(性格)からすると、何か真摯な反省を訴えるようなこともできないのでしょう。
そうであれば、殺意を否認するくらいしか、刑事弁護としてやることが無いということか。

裁判員裁判という現実の制度を前にして、刑事弁護はどうあるべきなのか。
いままでの「伝統」にとらわれた刑事弁護では、対応が難しくなっているような気がします。
by black_penguin | 2011-07-12 00:00 | 業務関連

弁護士のちょっとブラックな業務外日誌


by black_penguin