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フランス

フランスの首都パリで,信じられないテロが発生しました。

以下,朝日新聞から引用
「フランスのパリで13日夜(日本時間14日早朝)、中心部のコンサートホールや北部のサッカー場などを標的とした同時多発テロが起きた。オランド仏大統領は14日午前に演説し、過激派組織「イスラム国」(IS)によるものだと断定した。AFP通信によると一連のテロで128人が死亡した。
現地メディアによると、コンサートホールやその周辺の飲食店など、サッカー場も含め、パリとその周辺の計6カ所で銃撃と爆発があったという。

 現地メディアによると、パリ中心部にあるコンサートホール「ルバタクラン」で13日午後9時すぎ、米国のロックバンドによるライブが開かれていたところ、何者かが中に押し入り、一時、多数の観客らを人質に取って立てこもった。その後、治安部隊が突入。容疑者を射殺した。

 その他に襲撃された飲食店などの多くは、コンサートホールの近くにあることから、容疑者らが、周辺を無差別に襲撃したとの見方もある。

 また13日午後9時20分ごろから30分間ほどの間に、パリ郊外にあるサッカー場「スタッド・ド・フランス」の入り口付近など3カ所で爆発が発生した。当時、サッカー男子のフランス代表対ドイツ代表の親善試合の最中で、オランド大統領も観戦していた。この爆発は自爆テロとの情報もある。」
引用終わり

ヨーロッパの象徴のような都市で起こった今回のテロ事件。
その映像を見ていると,何かもう少し壁が壊されると,文明社会が破壊されかねないという,いい知れない恐怖のようなものを感じました。

今回のテロを受けて,色々な人が色々な意見を述べています。
暴力に対して暴力によってこれを封じ込めようとすることは,あらたな暴力を生むだけという意見も強いです。

実は,昨年10月,フランスの元首相などはイスラム国への空爆に反対していたというのです。
フランス保守派から左派までがイスラム国・空爆に反対する3つの理由
「(空爆に参加した)フランスはアメリカと違って海外にいる自国民を護る能力を欠いている。」というところが印象的で,我が国においても,集団的自衛権を考える上で,とても参考になる事実と思いました。

もっとも,いわゆるイスラム国は,いわばカルト教団のようなものであるから,中枢部分を排除して,「信者」の拠り所を失わせるということはしなくてはならない気がします。

一方で,シリアをどうするかが最重要課題であることは間違いなく,内戦が始まって以来,何十万人という市民の命が奪われているという人道の危機に対して,徹底的な対応が必要だろうということは間違いないと思います。
それはやはりアサドという独裁者を排除し,内戦を終わらせるということでしょう。
それには,ロシア,イランといった,アサドを支援している国家をアサドから手を引かせるということをしなければなりません。
今回のこのテロを受けて,ここは各国首脳が真剣に話し,ある程度自国の利害を横に置いて,この文明の危機に対応しなければと思います。

そうした意味においては,元はと言えばブッシュが始めたイラク戦争が,結局こうした事態を招いたともいえるところ,オバマ大統領は,弱腰と非難されながら,一方でイスラム国の中枢を攻撃し,一方でシリアについてアサドの排除を模索するという方策をとろうとしているので,やはりさすが(褒めすぎかもしれませんが)方向性は間違っていないのだなと思わされるところです。

何かもう文明社会は瀬戸際に立っているような気がしてなりません。
ここは特にロシアに,世界における大国としての責任を果たしてもらって,シリアの危機を終結させ,地域が安定することを望まずにはいられません。
by black_penguin | 2015-11-16 23:19 | 時事関連

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