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ケネディ暗殺 50年目の真実

久しぶりに読書レビューを
といっても、少し前に読んだので中身の記憶が少し曖昧になっております。

ケネディ暗殺 50年目の真実

ケネディ大統領の暗殺事件の真相については、多くの人と同じように結構関心を持っていました。
ジム・ギャリソンの本やそれを原作として映画も観まして、それはオズワルド単独犯行説を疑問視し、前方からも別の人物が撃ったという説に立ち、CIA陰謀論に立っていました。

しかし、今回の本は、どれが真相というようにはっきりは言っていませんが、意外にも?ちょっとおかしくなってしまったオズワルドによる単独犯行説に立っているように読めました。ただ単純にそれだけというわけではないことも示唆されています。
最近の調査や研究で、いわゆる魔法の銃弾と揶揄されたウォーレン委員会の公表した銃弾の流れは、実際に十分あり得る弾道だったことが分かってきたようで、この本の内容は真実に近いのではと思います。
結局あんな人に一国の大統領が殺されてしまったというショックを覆い隠すために逆に遠大な陰謀論がいくつも出たのかもしれません。

この本は、暗殺事件そのものだけに焦点を当てたものではなく、ケネディが生まれてから大統領になり、暗殺されるまでの物語を書いたものです。

ケネディというと、若くして大統領になった清廉潔白な人物、決断力と高い指導力をもった人物というイメージを持っていましたが、大統領になってしばらくは、それとはちょっと、というかかなり違うイメージ。
ピッグス湾事件でのあたふたぶりやホワイトハウスに次々と女性を…という話は何だかショックでした。

しかし、経験を経るにつれて、その能力を発揮し始めます。
黒人差別問題など、これは許せないと思ったことをその信念に基づいて実行していくところはやはり凄いなと思わされました。

最後はしかし不幸な形で終焉を迎えます。
文字通り光と影のある人生でありました。

この本は、文章(翻訳も)が良かったですね。
グダグダと事実を書き連ねるのでもなく、かといって情緒的になっているわけでもなく、変な憶測を入れ込んでいるわけでもなく、ノンフィクションはこう書くべきという見本のような本に思いました。
そこへいくと、日本の原発事故を取り扱った本で「カウントダウン・メルトダウン」とかはグダグダ長すぎる(そこまで取材したのは凄いと思うけれど)、小説風にした「原発ホワイトアウト」は文章が下手すぎてちょっと読んだだけで読む気を無くしてしまいました。
内容が良くてもそれを伝える文章がダメだとダメですね。なかなか難しいです。
by black_penguin | 2014-01-25 23:28 |

弁護士のちょっとブラックな業務外日誌


by black_penguin